久しぶりの健康論文メモ、今日は「DIT(ディット)」の話です。日本語やと食事誘発性熱産生。なんか難しそうな名前ですけど、中身はめちゃくちゃシンプルで、面白かったんですよね。
ひとことで言うと——「食べ物を消化・吸収するだけでも、体はカロリーを使ってる」という話です。で、その“使う量”が、タンパク質・炭水化物・脂質で全然ちがう。タンパク質がダントツで多い。つまり同じカロリーでも、タンパク質で摂った方が「食べた瞬間に勝手に減る分」が大きいんです。
私も今ダイエットを仕切り直してる最中で、毎晩タンパク質を山盛り食べてます。その「タンパク質ばっかり食べる意味」、筋肉を残すためだけやと思ってたんですけど、実はもう一個ちゃんと理由があった。それが今日のDITの話です。
結論を1行で
タンパク質は、消化・吸収するだけで摂取カロリーの2〜3割を熱として消費する。だから「食べるだけで、ちょっと代謝が上がる」栄養素。
そもそもDIT(食事誘発性熱産生)って何?
人間が1日に使うエネルギーは、ざっくり3つに分かれます。
- 基礎代謝……寝てても勝手に使う分(いちばんデカい)
- 活動代謝……歩いたり動いたりで使う分
- DIT(食事誘発性熱産生)……食べ物を消化・吸収・代謝するために使う分
この3つ目がDITです。食事のあと体がポカポカするあの感じ、あれがまさにDIT。消化や栄養素の処理(吸収したり、貯めたり)にもエネルギーが要る——つまり「食べる」という行為そのものに、ちゃんとカロリーがかかってるわけですね。1日の総消費のだいたい1割前後を占めると言われてます。
論文・研究の要点
ここが今日のいちばん面白いとこ。栄養素ごとにDITの“率”が全然ちがうんです。
- 栄養素別のDIT率(摂取カロリーに対して)はこんな感じ:
- タンパク質 …… 約20〜30%
- 炭水化物 …… 約5〜10%
- 脂質 …… 約0〜3%
→ タンパク質だけ、文字どおり“桁ちがい”。100kcal分のタンパク質を食べたら、20〜30kcalは消化・処理で消えてく計算です(Tappy 1996)。
- 「燃えやすさ」には順番がある……食後にエネルギーとして使われる優先順位はアルコール → タンパク質 → 炭水化物 → 脂質。DITの大きさもこの順番に従う。脂質はいちばん“そのまま貯まりやすい”ってことです(Westerterp 2004)。
- 普通の食事(ミックス)だと、DITは1日の総消費の5〜15%……同じカロリーでも、タンパク質やアルコールの割合が高い食事はDITが上がり、脂質が多い食事は下がる。「何を食べたか」で、勝手に消えるカロリーが変わるんですね(Westerterp 2004)。
- 高タンパク食は「熱産生」と「満腹感」を両方上げる……ランダム化試験を集めたレビューで、タンパク質を増やすと(1)DITが上がる(2)満腹感が増えて、次の食事の食べ過ぎが減る、という結論。痩せやすさにつながる可能性が示されています(Halton & Hu 2004)。
- 仕組みはちゃんと理由がある……タンパク質(アミノ酸)の処理にはエネルギーが要る。さらに満腹ホルモン(GLP-1など)が出て、食欲ホルモン(グレリン)が下がる。これが「食べた瞬間に代謝が上がって、しかも腹も減りにくい」の正体(Pesta & Samuel 2014)。
※ただしこのレビューは“注意点”も挙げてます。タンパク質の摂りすぎは腎臓に負担をかける可能性があるので、あくまで適量を、水をしっかり摂りながらが前提です。
自分への応用
正直に言うと、論文に出てくるレベルのタンパク質を、普通の食事だけで保つのは自分には到底無理です。ほぼ同じ食材を、同じような調理法で毎日――ここまでくると、もうダイエットというよりボディーメイク。さすがに自分にできる気はしません。
それでも少しでも近づけたくて、最近やっているのが「無糖ヨーグルトにプロテインを30g混ぜる」こと。これが地味におすすめで、
- おやつ感覚で食べられるから、ちゃんと満腹になる
- デザート風にすると「我慢ばっかりしてる…!」っていうダイエットのしんどさが薄れる
- ブルーベリーを足したら、もうご馳走です
我慢を“ご褒美”に変えられるのが、いちばんのメリットかもしれません。……まあ、足せば足すほどカロリーも費用も上がっていくんですけどね(笑)
そして大前提として、DITがあるからといって食べすぎてOKなわけじゃない。土台はやっぱりカロリー赤字。タンパク質は、その上で“ちょっと得する”くらいの感覚がちょうどいいんだと思います。
まとめ
- 食べるだけでカロリーを使う「DIT」がある。1日の消費の1割前後
- 栄養素別だとタンパク質20〜30%、炭水化物5〜10%、脂質0〜3%。タンパク質がダントツ
- だから高タンパク食は「熱産生↑」+「満腹感↑」のダブルでダイエット向き
- ただし“魔法”やない。土台はあくまでカロリー赤字。摂りすぎは腎臓に負担なので適量&水分しっかり
「タンパク質を食べると痩せやすい」ってよく聞くけど、その理屈の半分は、このDIT(食べるだけでカロリーを使う)やったんやな、と。残り半分は満腹感。なるほど納得、って感じでした。私が毎晩タンパク質を盛ってるのも、ちゃんと意味があったってことで(笑)。
出典
- Tappy L. Thermic effect of food and sympathetic nervous system activity in humans. Reprod Nutr Dev. 1996;36(4):391-397.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8878356/ - Westerterp KR. Diet induced thermogenesis. Nutr Metab (Lond). 2004;1(1):5.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15507147/ - Halton TL, Hu FB. The effects of high protein diets on thermogenesis, satiety and weight loss: a critical review. J Am Coll Nutr. 2004;23(5):373-385.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15466943/ - Pesta DH, Samuel VT. A high-protein diet for reducing body fat: mechanisms and possible caveats. Nutr Metab (Lond). 2014;11(1):53.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25489333/
※この記事は、上の論文・レビューをもとに、私なりに噛み砕いたメモです。数値はあくまで研究上の目安で、効果には個人差があります。
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